正しいメガネのずらし方

やくにたちそうでたたない

ういろうと外郎売の長科白

近いうちに親戚の家に行くのでそのお土産を探していたら、小さい「ういろう」を百貨店で見かけた。

そういえばもう何年も食べてないし、どんな味だったかとお土産と一緒に買ったわけです。
一個250円くらいだしね。

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↑「上がり」というのがなんなのかよくわからなかったので、「上がり」を選んだ。 他には「白」とか「抹茶」とか、「小豆」「栗」など。

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↑色はちょっと紫っぽくて原材料にも小豆とあったので、「上がり」ってのはちょっとした小豆風味ってこと?
調べてみると「こしあん風味」とのこと。

「上がりういろう」は、こしあん風味のういろうです。 昭和34年に現在の天皇陛下がご成婚されたのを記念し、献上したので 「上がりういろう」と名付けられました。また、和菓子業界の用語で上質なこしあんの事を「上がりあん」と呼びます。
青柳総本家:ういろうQ&A

ほのかな甘みが美味しかった。

【名古屋名物】青柳総本家 青柳ういろう 3本入り

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で、ういろうで思い出すのは「外郎売の長科白」です。

外郎売(ういろううり)は、享保3年(1718年)正月、江戸森田座の『若緑勢曾我』(わかみどり いきおい そが)で二代目市川團十郎によって初演された歌舞伎十八番の一つである。
今日では「外郎売」と言えばその劇中に出てくる外郎売の長科白を指すことが多い。日本では俳優や声優などの養成所、或いはアナウンサーの研修等で暗唱、発声練習や滑舌の練習に使われている。
外郎売 - Wikipedia

これ、俳優・アナウンサーなどの研修でも使われる、とあるように上手に音読するのが難しい反面、古い日本語表現がふんだんに使われていて結構読むのが楽しいです。 ちょっと最初の方だけご紹介。

拙者親方と申すは、お立ち会いの中に、
御存知のお方も御座りましょうが、
御江戸を発って二十里上方、
相州小田原一色町をお過ぎなされて、
青物町を登りへおいでなさるれば、
欄干橋虎屋藤衛門、
只今は剃髪致して、円斎となのりまする。

元朝より大晦日まで、
お手に入れまする此の薬は、
昔ちんの国の唐人、
外郎という人、我が朝へ来たり、

帝へ参内の折から、
この薬を深く籠め置き、用ゆる時は一粒ずつ、
冠のすき間より取り出す。 依ってその名を帝より、
とうちんこうと賜る。
即ち文字には、
「頂き、透く、香い」と書いて
「とうちんこう」と申す。

只今はこの薬、
殊の外世上に弘まり、方々に似看板を出し、
イヤ、小田原の、灰俵の、さん俵の、炭俵のと、
色々に申せども、
平仮名をもって「ういろう」と記せしは、
親方円斎ばかり。

もしやお立ち会いの中に、熱海か塔ノ沢へ湯治にお出でなさるるか、
又は伊勢参宮の折からは、必ず門違いなされまするな。

お登りならば右の方、お下りなれば左側、
八方が八棟、表が三棟玉堂造り、
破風には菊に桐のとうの御紋を御赦免あって、
系図正しき薬でござる。

長い!!
いや、でもまだ続きがあるんですよ。
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